小斉平優和(こさいひら・ゆうわ)が午前組の暫定トップで上がってくると、仲良しの後輩が出迎えにきた。
「ナイスです」と、平田憲聖(ひらた・けんせい=写真左)。
仲良くなったのは、平田のプロ入り後。地元大阪府内のゴルフ練習場で一緒になり意気投合した。
2つ下だが、すでにツアー2勝の選手。
「ありがとう」とハニかみながら、「負けてられない」と、気合が入る。
1990-98年の「アコムインターナショナル」以来となるポイント制競技として誕生した一昨年の第1回大会は、前季20―21年にせっかく獲った初シードを1年で放してしまった年と重なり、「絶不調でした」と、ゲームの特性を味わう余裕もなかったが、ABEMAツアーの賞金上位者(12位)としてツアーに帰還した今年、2年ぶりの開催では「僕に向いてるかも?」と、次第に自負が芽生え出している。
13番からバーディ⇒ボギーのデコボコが2度続いたが、「ボギーは1点しか減らないので」と気にとめなかった。
「バーディはすごく欲しいですけど、欲しがりすぎて打ちすぎないように」と気をつけながら、17、8番のイーグルトライは「すごい欲しくてオーバーしました」と、メリハリはしっかりと効かせた。
前日初日の9点に、この日は8バーディ=16点-2ボギーの2点で計14点を加点。
通算23点で決勝へ。
シード復活を期して、堀尾コーチとスイングの立て直しに取り組み、メンタルトレーニングにも着手。
「効果があるかはこれから」と、週末のV争いで成果を探る。
普段は、欧州・DPワールドツアーで星野陸也(ほしの・りくや)を支える薬丸キャディの体が空いたときだけ担いでもらう約束で、コンビ契約してから今季2度目のタッグも息ぴったり。
コロナ禍の隔離も承知で米二部ツアーの予選会に挑戦し、転戦した経験がある。
「僕も世界で」と、夢みる25歳にはラウンド中に薬丸キャディから聞く今年2月の星野の欧州初制覇の成功譚もよい発奮材料になっている。